はじめに

SAPUI5でアプリケーションを作るにあたり、ODataは避けては通れないトピックです。
結構広いテーマなので、5~7回くらいに分けて書きたいと思います。
1回目はODataの概要について説明します。

ODataとは

OData(Open Data Protocol)とは簡単に言えば、HTTPを使ってサーバとブラウザでデータをやり取りするためのプロトコルです。
Microsoftが作った仕組みで、それをSAPでも利用しています。

イメージ
【SAPUI5】ODataを構成するもの-LMLPHP

ODataのベースとなる考え方

ODataは"REST"の考え方がベースとなっています。
REST(REpresentational State Transfer)とは、Webサービスにおけるアーキテクチャのスタイルの一つです。
対象のリソースをURIで指定し、HTTPメソッド(GET, POSTなど)によって操作します。
【SAPUI5】ODataを構成するもの-LMLPHP
OData – Everything that you need to know (Part 2)より引用

Representationとは

RepresentationとはURIによって指定されたリソースまたはその一部です。
たとえばPersonというリソースがあり、その人の連絡先情報を取得するODataサービスがあるとします。この場合、氏名、住所、電話番号などがRepresentationとなります。
【SAPUI5】ODataを構成するもの-LMLPHP

RESTful APIとは

RESTful APIとは、RESTの6つの原則に従って作られたAPIのことです。

6つの原則

Client-Serverクライアト・サーバー型であること(データの格納場所とユーザインターフェースを分離するため)
Statelessクライアントからサーバへのリクエストは、サーバがリクエストを理解するのに必要な情報をすべて含むこと。サーバ側にクライアントの情報は保存しない
Cacheableサーバからのレスポンスには、明示的あるいは暗黙的にキャッシュの可否が示されること
Uniform Interfaceコンポーネント間で統一されたインターフェースを使用すること。このために、リソースの特定方法(URI)、操作方法(HTTPメソッド)などの決まりがある。
Layered Systemレイヤー構成を可能にすること。クライアントはサーバではなく中間レイヤーと通信する場合もあるが、何とやり取りをしているかを意識する必要はない
Code on Demandサーバから送信されたコードをクライアントで実行することで、クライアント側の機能を一時的に拡張できるこ

ODataの特徴

ODataには次のような特徴があります。

  1. URIを使ってデータを読み書きする
  2. 言語に依存せずに利用できる
  3. JSONまたはXML形式でレスポンスを返す

1. URIを使ってデータを読み書きする

URI(Uniform Resource Identifier)とは、その名の通りインターネット上のリソースを一意に特定するための名前、または場所、またはその両方のことを指します。(ちなみに、URLもURIの一部です)
ODataにアクセスする際は、以下のようにURIを指定します。
【SAPUI5】ODataを構成するもの-LMLPHP
OData Version 4.0 Part 2: URL ConventionsInformation published on non-SAP siteより引用

ひとまず、「URLのような形式でデータの取得や更新ができる」という理解で十分だと思います。

2. 言語に依存せずに利用できる

ODataはHTTPをベースとした仕組みなのでクライアント側、サーバ側とも言語の制約がありません。(HTTPリクエスト、レスポンスを作れればよい)
参考までにODataの公式リファレンスには、HTTP, C#, JavaScript, C++, Node.jsのサンプルがあります。

3. JSONまたはXML形式でレスポンスを返す

ODataのレスポンスの形式はJSON、またはXML形式です。
どのようなデータ形式で欲しいかはリクエストで指定します。

まとめ

  • ODataはRESTの考え方をもとに作られている
  • URIを指定してリソースを操作する
  • どのような言語でも使え、レスポンスはJSONまたはXML

参考

OData – Everything that you need to know (Part 1)
OData – Everything that you need to know (Part 2)
OData – Everything that you need to know (Part 3)
OData and SAP Netweaver Gateway. Part I. Introduction
RESTとは何か
Architectural Styles and the Design of Network-based Software Architectures

04-15 15:45